琴線を揺り動かす一つの人物の存在
小林賢太郎という人がいます。
「1973年4月17日生まれ 神奈川県出身
血液型 A型
職業:コント、演劇、映像作品の脚本・演出家およびパフォーマー」
ラーメンズの片方の人と説明した方がわかりやすいかもしれません。
知ってる人は知っている。
片桐仁とのお笑いコンビ、ラーメンズのコバケンこと
小林賢太郎。
そう。始まりはラーメンズだった。
今までに見たことも考えたこともない発想。
緻密な計算を礎に、その高みから自由奔放に交わされる会話の導線からの展開。
時折ちりばめられる極上の表現力を秘めたマイム。
その上に、なんとも形容しがたい独特の、懐かしさを内包する独特の世界観。
それらを有しながら、なおかつ、見る物の笑いの感情を喚起する。
様々な芸事は見てきたけれども、あくまでも自分の感性という中での、
「完成形」という創造物を見るのは初めてだった。
衝撃的という言葉は、そのためにあった。
しかし、小林賢太郎を含めたラーメンズという有機物は、さらに進化を遂げてしまう。
初めて見たその日から、次に見る作品ごとに
確実に、そして、果てしなく、進化を遂げてしまう。
十分に完成していると認識していたラーメンズの世界観、そしてその表現方法が。
ある日、深夜、その瞬間は、何の予兆もなくやってくる。
ラーメンズ第16回公演 「TEXT」
この演目のラスト、「銀河鉄道」というコントを見終わった時、正確には見ている最中、涙が頬をつたっていった。
コントを見て、いや最早この作品はコントではなかった、極上の二人劇となっていた、その演劇という形態の表現方法をみて、涙腺が意志と関係なくゆるんでしまうのは初めてだった。
その瞬間。彼は、小林賢太郎は、僕の感性の過半を支配した。
その前後、小林賢太郎は走り始める。
ラーメンズという枠を超えて。
足し算と引き算。という概念の実験を行う。
「一人芝居と流動的劇団」
引き算としての一人芝居
足し算としてのプロデュースという立場での流動的な劇団による舞台。
一人芝居は「ポツネン」という名前で行われている。
小林賢太郎の世界を凝縮させ、実験的なコントがちりばめられている。
見るたびに新しい驚き、感覚、概念のはみだしを見せつけられる。
才能に舌を巻く。
足し算の作用、流動的劇団は、「KKP(小林賢太郎プロデュース)」という。
流動的という表現は、毎回メンバーが替わるという所から。
正直言って、このKKP。最初は全くなじめなかった。
なぜなら、明らかに小林賢太郎という感性に対する最大公約数的な一般概念をはっきりと認識しながら、それから発生する期待をすり抜ける、ある意味、裏切りが仕掛けられていたから。
このKKPの中で小林賢太郎は、自分の存在感を薄めようとする。
ラーメンズという色彩は相方の片桐仁に描かせ、小林自身はあたかも別枠の中にいるような設定をしていく。
一作目、二作目、とその傾向は顕著になり、こと三作目にいたっては作中に、人物設定という形でしか登場しなくなる。
つまり、出演者の会話の中にしか出てこない、それもほんの少し。
そして、カーテンコール。本人登場。
とうとう小林賢太郎は自分の存在をミニマムにもっていってしまった。
確かにこの仕掛けによって、KKP=小林賢太郎という、自分が勝手に抱いていた概念は壊された。
そう、演劇というものは、出演者、舞台スタッフ、作品、すべての存在の上でなりたっている。
その当たり前のことに気づかせてくれたのはありがたい。
だが、望んでしまう、渇望してしまう。小林賢太郎という感性を。
だからKKPに対して、小林賢太郎を感じる期待というものをあきらめてしまった。
これは演劇としてだけ見てみよう。
しかしこれは、小林賢太郎という天才の、大がかりかつ緻密な伏線だった。
鑑賞者のそんな気持ちを、ことごとく見透かしてしまうかのごとく
KKP#4 「lens」において、小林は主役となる。
それだけでは無く、その存在感を十二分に発揮し、作品のイメージを覆い尽くす。
しかし、そこにいる小林賢太郎は
ラーメンズの小林ではなく、小林賢太郎その人だった。
そうなのだ、小林は、ラーメンズという概念を壊すために三作品を使った。
そして、実験し尽くし、最大限のエンターテイメントを魅せる。
9月、この足し算としての、小林賢太郎プロデュース(KKP)の舞台を見に行く。
KKP#6 「TRIUMPH」
初めてなんだ。
生で、LIVEで見てみたい思うのは。
これまでいくつもの表現者の作品を見てきた。
音楽、映画、演劇・・・
すべては、録画、録音で事足りた。
生で見たい、直に空気にさわりたいという、内からの、烈々たる感情に揺り動かされることは無かった。
小林賢太郎という天才の
表現者の吐き出す呼吸を確かめたくなる。
と、なんとも意味のない文章なんですが言いたいことは
KKPのトライアンフ、チケットげっとぉぉぉ!^^(笑)
森谷フミさんも出るし、犬飼さんもでるし!あ~ん最高!
と、まぁ、長めの前振りからなる、ただの喜びに表現でしたとさ(笑)




